歯科コラム

インプラント施術後すぐにできる歯のケア方法!

2017年12月2日 (土)
インプラント手術後でも口の中は清潔に保たなければ、インプラントの施術をした部位の治りが遅くなってしまいます。また、不潔にしていればその分口腔内の細菌が活発になっている証拠です。傷口に細菌感染すると化膿してしまうのと同じで、施術後の部位に細菌が侵入すれば化膿することも治療が遅れることも想定できます。治療を遅らせないためにもインプラント施術後に患者さんができる歯のケア方法について紹介していきます。

当日から数日間

当日から数日間
インプラント手術を施術した当日?数日間は丁寧に歯のケアをしてください。まず、インプラントを埋めた部位の近くには血餅(けっぺい)というものができています。血餅とは血の塊で餅のようにモチモチしています。しかし、粘り気があるというわけではありませんよ。血餅は血管から外へ漏れた血液が固まって、これ以上出血させないぞと止血してくれているのです。優秀ですよね。
血餅は止血効果があるので出来るだけ刺激しないようにしましょう。血餅は止血だけでなく細菌が傷口に侵入しないように防いでくれている働きもあります。血餅はすぐに取れてしまうので施術当日から数日間は注意しましょう。
インプラントを埋める部位には歯が生えていません。それなので歯ブラシを意図的に触れさせないようにすれば血餅を刺激することは少ないでしょう。
では、歯が生えている部位に関してはどうでしょうか。これは歯医者によって意見が割れることもあるので通っているまの話を参考にしてください。それなのでここでは一般論としてお話しします。
まず残っている歯にプラークや食べカスが残っていると虫歯や歯周病が進行していきます。インプラントの治療中だからといって細菌は待ってくれません。
それなので施術をした以外の歯に関してはいつもの生活通り歯磨きやデンタルフロスを使用して歯と歯の間を磨くよう心がけましょう。
また歯磨きをするときに歯磨き粉を併用するのは少し考えたほうが良いです。歯磨き粉の中に含まれているツブツブがありますよね。これは研磨剤と言って歯の表面についている汚れを落としてくれる効果が期待できますが、ツブツブしているので傷口を傷つけてしまうこともあります。歯医者に事前に確認しておくと良いでしょう。

糸を抜く日まで

数日経てば血餅も目立たなくなります。血餅が目立たなくなってから縫ってある糸を抜く日までにゴシゴシ歯ブラシで磨いてしまい傷口が再度開いてしまうという患者さんも少なくはありません。
しかし、糸の周りに汚れが明らかに溜まっているのは衛生的に悪いので清潔にするようにしましょう。
歯ブラシを使用する際は軟らかい毛のブラシを使用し、歯磨き粉はつけないで磨くようにしましょう。また歯ブラシだけでは清掃が十分ではないので洗口剤も併用し除菌・抗菌作用を期待しましょう。

上部構造が出来上がったら

上部構造が出来上がったら
上部構造とはインプラントの歯の部分です。顎の骨の中に埋めたボルトと骨がしっかりと結合してから型取りをして被せ物を製作していきます。
被せ物を装着すればインプラント治療は全て終了にはなりますが、ここで歯磨きやケアを怠ると恐ろしいことになります。
今までは施術直後で歯茎に傷が残っていたので磨き残しや磨きにくいと感じていましたが、インプラントが完成したらそうは言っていられません。
インプラントと歯茎の間を柔らかい毛の歯ブラシで丁寧に磨くようにしましょう。そして残っている歯に関しては引き続き歯ブラシで清掃するのとは別でデンタルフロスや洗口剤を併用することで清掃効果が期待できます。
またインプラントの上部構想に細かな傷がつかないようにするために研磨剤(前述で紹介したブツブツしているもの)が含まれていない歯磨き粉を使用するようにしましょう。
手磨きが苦手で電動歯ブラシを使用している患者さんがいますが、電動歯ブラシでも全然構いません。理由としては幾つかありますがあげるとすれば以下のことです。

● 清掃が容易
● 歯茎のマッサージもできる
● 効率が良い
● しっかり汚れが落ちる

もともと身体に障害のある人向けに開発されたのが電動歯ブラシでしたが現在は多くの方に利用され口の健康を守ってくれています。

糸が不潔になるとどうなる?

インプラントだけでなく歯科治療では縫合を機会が多いです。その際に使用される縫合糸は主にナイロン製のものを使用しています。医科の手術や外科処置の際は身体に吸収される糸を使用することがありますが、歯科治療では原則非吸収性の縫合糸を使います。
ナイロンのメリットは汚れが付着しにくいということです。表面がツルツルしているので汚れが付着しにくいです。ナイロン製以外の縫合糸で絹糸がありますが絹糸は汚れが付着しやすく長期間縫合していると炎症を起こす原因になってしまいます。
ナイロン製の縫合糸は緩みやすいというのがデメリットですが口腔領域では多少緩んでも問題はないのでナイロン製の縫合糸が使用されています。