歯科コラム

歯ぎしりしている人は危険!オールオン4を長持ちさせるためには

2018年10月31日 (水)
皆さんは普段、歯ぎしりや歯の食いしばりなどを習慣的に行っていませんか?ストレスなどがかかると、ついつい歯を食いしばってしまう人は要注意です。なぜなら、歯ぎしりや歯の食いしばりといった口腔習癖は、歯や顎関節への負担が非常に大きいからです。とくにオールオン4などのインプラント治療を受ける方は、その危険性について事前に知っておきましょう。

歯ぎしりや歯の食いしばりによる悪影響

歯ぎしりや歯の食いしばりによる悪影響
歯ぎしりや歯の食いしばりといった口腔習癖は、無意識に行っていることが多いので、もしかしたら自覚していないこともあり得るでしょう。とりわけ歯ぎしりというのは、睡眠中に起こることが多いため、自分自身では気づきにくいのです。逆に、歯ぎしりの音によって周囲にいる人の方が気づいているケースも多々見受けられます。

そんな歯ぎしりや歯の食いしばりでは、普段ものを噛む時以上に強い力がかかっているのをご存知でしょうか。食事の際の咀嚼運動は、歯と歯の間に食物が介在していますし、食べ物の硬さや量に応じて、噛む力をコントロールしているのが普通です。そのため、毎日の食事によって顎の筋肉が痛み出したり、顎関節に炎症が生じたりすることはまずありません。一方、歯ぎしりや歯の食いしばりは、歯と歯の間に食べ物が介在していないだけでなく、無意識に行っている口腔習癖だけに、噛む力のコントロールもなされていません。その結果、ものすごく強い圧力が歯や顎、それから顎関節にかかることになるのです。

歯ぎしりがインプラントを脱落させる?

習慣的に歯ぎしりをしていると、徐々に歯や歯槽骨への負担が増加して、やがては顎の骨に炎症を起こすようなことがあります。オールオン4では、顎の骨にインプラント体を4本埋め込んでいますので、強い圧力が慢性的にかかったり、顎の骨に炎症が生じたりするのは非常に危険です。というのも、インプラント体は、顎の骨と結合することで、顎骨内に固定されているため、そこに炎症や強い力が加わると、結合が壊れてしまうからです。骨との結合を失ったインプラント体は、グラグラと動揺するようになり、最終的には抜け落ちます。それだけに、オールオン4を長持ちさせるのであれば、歯ぎしりなどの口腔習癖は早目に改善すべきといえるでしょう。

オールオン4を長持ちさせるために

オールオン4を長持ちさせるために
日常的に、歯ぎしりや食いしばりが目立つ場合は、歯科医院を受診しましょう。とくにオールオン4などのインプラント治療を受ける予定の方や、もうすでに受けた方はなおさら改善する必要があります。具体的には、ナイトガードと呼ばれるマウスピースを使った治療を歯医者で受けることができます。

ナイトガードとは、文字通り眠っている時に装着するマウスピースです。歯列全体を覆うような形態をしていますので、歯ぎしりが起こった時に歯が摩耗したり、傷ついたりするのを防ぎます。また、歯槽骨や顎関節への過剰な負担も軽減することにつながります。さらに、夜間にナイトガードを装着することで、歯ぎしりという口腔習癖自体も改善されていくのが、この治療法の特徴です。一見すると、対症療法にしか思えないナイトガードですが、口腔習癖自体も取り除かれていきますので、オールオン4などのインプラントを長持ちさせたい方は、是非とも受けることをおすすめします。

歯ぎしりがあるかどうかは歯科医院で診てもらえる

そもそも自分に歯ぎしりがあるかどうかを知りたい、という人もたくさんいらっしゃることでしょう。上述した通り、歯ぎしりがあることは当人より、むしろ一緒に眠っているパートナーや周囲の家族の方が気づきやすい傾向にあるため、今現在自覚がない人は、必ずしも歯ぎしりがないということにはなりません。

それも近いうちにオールオン4などのインプラント治療を検討中の方は、事前に歯ぎしりがあるかどうかを調べておくことはとても大切です。具体的には、歯科医院を受診して歯医者にお口の中を診てもらうことで、歯ぎしりがあるかどうかはある程度、見極めることができます。

歯ぎしりがある人の歯は、部分的に摩耗していることが多いです。あれだけ「ギリギリ」と大きな音がたつくらい、強い力で歯をこすり合わせているのですから、エナメル質も摩耗してしまうのです。その他、口腔粘膜に傷跡がついていたり、レントゲン写真に異常所見がみられたりしますので、気になる方は歯医者に相談してみてください。

まとめ

このように、歯ぎしりなどの口腔習癖がある人は、歯や顎に過剰な負担がかかっている可能性が高いです。歯が摩耗し、歯根膜が破壊され、歯槽骨にまで炎症が及ぶことも珍しくありません。これらの症状は、オールオン4に代表されるインプラント治療へ悪影響が及びますので、事前に改善しておくことが大切です。インプラントを埋入後も、オールオン4を長持ちさせるために、歯ぎしりなどの口腔習癖は徹底的に行いましょう。歯ぎしりなどの診断や治療は、歯科医院で受けることができます。