歯科コラム

オールオン4は医療費控除の対象になる?

2018年10月17日 (水)
オールオン4は、歯科治療の中でも費用が高額になる処置法です。現在、オールオン4を検討中の方は、治療費の面で悩まれているケースも多いのではないでしょうか。確かに、片方の顎をオールオン4で治療する場合でも、数十万円では足りないくらいですから、慎重になるのも無理はありません。そんなオールオン4は、医療費控除の対象になるのをご存知ですか?きちんと書類を揃えて、適切な申請を行えば、オールオン4にかかる費用を減らすことができますので、ぜひ利用してみてください。ここではそんなオールオン4における医療費控除について、詳しく解説します。

医療費控除ってなに?

医療費控除ってなに?
医療費控除とは、高額な医療を受けた際に対象となる制度で、持病をお持ちの方や大きな手術などを受けたことがある方なら、利用したことがあることかと思います。1年間に10万円以上の医療費がかかった場合に申請することができる制度ですので、インプラント治療の一種であるオールオン4でも、その対象となります。ただ、インプラントのオールオン4で医療費控除を申請する場合には、少し細かい決まりがありますのでご紹介します。

オールオン4で医療費控除を申請する条件

インプラントのオールオン4では、上顎の治療のみが控除の対象となります。下顎のオールオン4にかかった費用は、医療費控除の対象外となることを知っておきましょう。次に、年間で10万円以上の医療費がかかった場合に対象となる制度ですので、オールオン4に関しては全く問題ないといえます。なぜなら、オールオン4という治療は、4本のインプラントを顎の骨に埋め込んで、セラミックなどで製作された上部構造を装着しますので、医療費が10万円を超えることはまず間違いないからです。

その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費は翌年の2月中旬から3月中旬までに確定申告を行うことで所得控除を受けることが可能です。忘れずに申告をするようにしましょう。ちなみにオールオン4の医療費控除は、過去5年までさかのぼって申告できますので、もしも過去に治療を受けて申告し忘れている場合でも、書類や条件がそろえば医療費控除の対象となりますので、できるだけ早く申告することをおすすめします。

医療費控除があってもやっぱり高い?

オールオン4の治療は、すべての歯に適用した場合は、200万円以上かかることもあります。それだけに、例え医療費控除が受けられたとしても、高額な歯科治療であることには変わりありません。医療費控除の分を差し引いたとしても、やはりオールオン4の治療を受けるかどうか、悩み続けてしまう人も多いことかと思います。ただ、そこで改めて考えておきたいのは、オールオン4によってどれだけQOLが向上するかという点です。これはすべての歯を失った際に適用される総入れ歯と比較するとわかりやすいといえます。

オールオン4と総入れ歯の違いについて

オールオン4と総入れ歯の違いについて
オールオン4も総入れ歯も、すべての歯を失った「無歯顎(むしがく)」の方に適用される補綴治療です。すべての歯を人工歯で作り、上下の顎に装着します。ただ、この2つには決定的な違いがあるのです。それは人工歯根の有無です。オールオン4は、上下の顎に4本ずつインプラント体を埋め込みますので、しっかりとした土台を形成できます。そのため、上部構造を設置すると、見た目だけでなく、噛み心地も良好となるのです。また、常に顎の骨にも刺激が伝わるため、顎骨がやせ細るようなこともありません。

一方、総入れ歯の場合は、人工歯根が存在せず、入れ歯を口腔粘膜に貼り付ける形で使用することとなります。これでは、ものを噛んだ時や言葉を発した時に、ズレたり、グラグラと動いたりして、不安定になってしまいますよね。また、顎の骨にしっかりとした刺激が伝わらないため、顎骨が徐々に退化してしまうというデメリットもあるのです。

長い目で見るとオールオン4の治療費は高くない

オールオン4と総入れ歯では、審美性や機能性だけでなく、顎に与える影響も大きく異なってきます。治療後も数十年と使い続ける補綴装置ですから、お口全体の健康にも寄与してくれるものを選びたいものですよね。つまり、QOLそのものを高めてくれるオールオン4というのは、高い医療費に見合った治療結果が得られる処置法ですので、長い目で見ると、決して高いわけではないことがわかります。

まとめ

このように、オールオン4は治療に高額な費用がかかるだけあって、医療費控除の対象となります。確定申告の際には、できるだけ忘れないようにしたいものですが、過去5年までさかのぼって申請できますので、書類をそろえるのが間に合わなければ、翌年にまわしても何ら問題はありません。オールオン4は、非常に優れた補綴治療ですが、比較的高額な治療費がかかる分、利用できる制度はすべて利用していきましょう。さらに詳しく知りたい方は、オールオン4を実施する歯科医院の歯医者さんにご相談ください。