歯科コラム

インプラント方法によって違う痛みが出ることも!対処法は?

2018年08月24日 (金)
インプラント治療には、少なからず痛みが伴います。その大部分はインプラントオペの後が多い傾向です。また、インプラント治療の方法によってはいろいろな痛みが生じることがあります。いざ、インプラントした箇所に痛みが出てしまった場合はどのように対処するのが適切なのでしょうか。ここでは、そんなインプラントに伴う痛みについて、ケースに応じた対処法について詳しく解説します。

インプラント手術中は痛くないの?

インプラント手術中は痛くないの?
インプラント治療に関心のある方で、意外に勘違いされている点がインプラント手術中の痛みです。一見すると、チタンでできたインプラント体を顎の骨に埋め込むインプラントオペが最も強い痛みを伴いそうなものですが、実際はそうではありません。むしろ、インプラントの埋入手術中は一切の痛みを感じることがないのです。なぜなら、インプラント手術中に、患部に対する局所麻酔はもちろんのこと、笑気麻酔や静脈内鎮静法などを併用しているケースがほとんどだからです。場合によっては、全身麻酔下でインプラントの手術を行うこともあります。そのため、インプラント手術中には、基本的に痛みを感じることはないのです。

痛みを感じるのは麻酔が切れてから

インプラント治療に伴う痛みは、手術が終わった後、麻酔が切れてから感じ始めます。とはいえ、虫歯治療と比較しても極端に痛みが強いわけではなく、さらに鎮痛剤なども処方されますので、痛みへの対処はそれほど心配する必要はありません。その点は、インプラント歯科の歯医者も事前に説明してくれることでしょう。

インプラントを入れた部位以外も痛むことある?

ここからは、インプラントを埋入した部分以外に、痛みが生じるケースについてです。普通に考えると、メスを入れたり顎の骨に穴を開けたりするのはインプラントを埋め込んだ部分ですので、それ以外で痛みが生じる意味がわかりませんよね。ただし、これはインプラントの治療法の違いについて知ることで、すんなり納得できることでしょう。

骨移植を伴うインプラント手術

骨移植を伴うインプラント手術
インプラント治療では、顎の骨の量や質が非常に重要なポイントとなります。これは、チタン製のインプラント体と呼ばれる人工歯根を顎の骨に埋め込むためです。人工歯根がきちんと収まるだけの骨幅や奥行き、深さなどが必要不可欠になってきます。そうした骨量が不足しているケースでは、インプラント手術の際に骨移植を行うことが多い傾向です。

その際、使用する骨は、自家骨か人工骨かに分かれますが、自家骨を使う場合は患者さんご自身の体から骨を採取する必要が出てきます。ほとんどのケースで、口腔内の別の部位から採取し、それをインプラント埋入部位へと移植します。そのため、手術後、麻酔が切れた時点で、インプラントを埋め込んだ部位だけでなく、自家骨を採取した部位も痛むことがあるのです。実際、口腔周囲の骨を削り出していますので、痛みが生じてもおかしくありません。

歯茎の移植を伴うインプラント手術

インプラント治療では、骨だけでなく歯茎を移植して、術後の審美性や機能性を改善する場合があります。インプラント治療によって歯茎が下がったり、元々歯周病などで歯茎が下がってしまっていたりするケースをみてみましょう。この場合、患者さんご自身の歯茎を術野へと移植しなければ、治療後にインプラントが露出してしまいます。そのため、術後、歯茎を採取した部位が痛むことがあるので注意が必要です。

痛みを感じている部分を冷やすことで対処する

インプラント手術後は、インプラント埋入部位の周囲はもちろんのこと、上述したような移植などによって、いろいろな部位に痛みが生じることがあります。それらに対してまず行えるのは、患部を冷やすという対処です。インプラント手術の処置によって痛みが生じている部位には、基本的に急性の炎症が生じていますので、冷やすことで痛みを和らげることができます。その際、氷を直接患部に当てるようなことはせず、冷やしたタオルなどを使うようにしましょう。そういった注意点は、一般的にインプラント歯科の歯医者からも伝えられる内容です。

硬いものは食べない

硬いものは食べない
骨移植や歯茎の移植、それからインプラント埋入処置を施した口腔内は、たくさんの傷を負っている状態です。そのため、術後はしばらく硬いものを食べないようにして対処することが重要になります。そのほか、からいものや熱いものなど、口腔粘膜への刺激が強いものも避けることが必要です。これもまた、術後の痛みへの対処法といえます。

処方された薬剤を服用する

インプラント手術を受けた後には、抗炎症薬や鎮痛薬などが処方されますので、痛みが強くなったら、歯科医師の指示通りの方法で薬剤を服用しましょう。適切な方法であれば、痛み止めを飲むことをためらう必要はありません。

まとめ

インプラント治療は施術のときに痛みを伴うと思っている人が多い傾向です。しかし、実際はインプラント後に発生する痛みのほうが多いといえるでしょう。インプラントオペの後には、適用した術式によってさまざまな部位が痛むことがあります。自分の骨を移植する場合は、インプラント部分だけでなく、採取した骨の部分も痛みが生じる可能性があるのです。しかし、慌てず歯医者の指示に従って対処することが大切です。それでも痛みが治まらないようなことがあれば、すぐに歯科医院を訪れましょう。