歯科コラム

インプラントの手術後に気をつけたい日常の注意点

2018年03月24日 (土)
インプラントの治療については理解できているけれど、手術後にどう過ごせばいいのかと疑問を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。「お風呂には入れるの?」「食事はどうすればいい?」「アルコールはいつから飲んでいいの?」というような日常生活にかかわる疑問があるかと思いますが、術後の過ごし方によっては思わぬトラブルに発展してしまう可能性があります。トラブルを未然に防ぐために、インプラント手術後の過ごし方についてお話いたします。

インプラント治療は外科的手術を要する

インプラント治療は外科的手術を要する
インプラントの治療は、歯茎を切開し、顎の骨にインプラントを埋め込むという外科的手術を要するために、手術後は安静にする必要があります。もちろん、入院の必要はなく、食事も通常通りで大丈夫です。しかし、行動次第ではとんでもないトラブルに発展してしまう可能性があります。歯茎がふさがるまでの間は、傷口から異物が入り込み炎症を起こしてしまう恐れがあり、最悪の場合はインプラントが顎の骨から抜け落ちてしまうといったような場合もあるのです。そのようなトラブルを招かないためにも、以下の点に気を付けて術後を過ごしてください。

インプラントの手術後の注意点

■麻酔が切れるまで
手術の際に使用される麻酔は、術後1~2時間で切れていきますが、麻酔が効いている間は、頬の粘膜や唇や舌の感覚がありません。傷や腫れを作る原因となってしまいますので、噛まないように注意をしてください。

■うがい
手術の直後のうがいは、水を含んでそっと吐き出す程度にしましょう。手術後2~3日までは、傷口のかさぶたが剥がれて再び出血をしてしまう可能性があるので、静かにうがいを行ってください。

■薬の服用
処方された薬は、頓服薬以外は、指示通りに飲み切ってください。抗生剤は指示通りに服用しなければ、薬の効果を発揮することができません。ただ、体に合わない場合があるために、発疹や下痢、喘息などが出た場合は、手術を受けた歯医者さんに相談をする必要があります。

■当日の食事
インプラントは当日から食事を通常通りに行うことが可能ですが、香辛料の多く含まれているもの、からいもの、刺激の強い食べ物、固いものは避けてください。術後2~3日は、お粥やスープ、うどんなど、あまり噛む必要のないものを選んで食べるようにするといいでしょう。

■アルコール
アルコールは、当日だけではなく、1週間は我慢をしましょう。その理由は、アルコールによって血液の循環が促進され、ふさがった傷口が再び開き出血が止まらなくなってしまう恐れがあるということです。トラブルを避けるためにアルコールは、控える必要があります。

■お風呂
アルコール同様、手術当日のお風呂は、血行が良くなり出血の原因になってしまいますので、止めてください。湯船につかるのは、術後2~3日避けたほうがよさそうです。その間はシャワーで我慢をしましょう。

■喫煙
喫煙は、インプラントの成功率を下げてしまう原因となってしまうので絶対に止めてください。また、喫煙というのは、口の中が乾燥しやすくなり、傷口が雑菌に感染しやすい状態になり、インプラントが顎の骨に定着しにくくなってしまいます。さらに、喫煙をすることによって、歯茎の毛細血管が収縮してしまうために、傷口がふさがりにくい状況となってしまうでしょう。そして、喫煙というのは治療が終わったあとも、歯周病になりやすく、また、そのことに気づきにくくなってしまいます。気づいたときには重症化してしまっているというようなことが多く見られます。可能であれば、インプラントの治療を機に禁煙をすることをおすすめしています。

■歯磨き
歯磨きについては、インプラントの手術の際に、歯医者さんからの指導があるはずです。その指示の通りに行い、口腔内の細菌を増やさないようにすることが大切です。もし、指示がなかったとしたら、歯医者さんに問い合わせをしましょう。一般的な注意点としては、抜歯をするまでは、歯磨き粉は使用せず、歯ブラシが手術をした部位に当たらないように天然の歯を磨くことに留めてください。手術をした箇所に歯磨き粉や、歯ブラシが当たってしまうと、傷を作ってしまう可能性があります。そうなると、治りが遅くなってしまうので注意が必要です。

■運動
運動も、手術直後の2~3日は控える必要があります。激しい運動はもちろん、軽い運動でも控えた方がいいでしょう。運動は体を疲労させ、抵抗力が落ち傷の治りが遅れてしまいます。ですので、なるべく安静に過ごすことを心掛けてください。

インプラントの手術を成功させたいのなら

インプラントの手術を成功させたいのなら
上記でもお伝えした通り、インプラントの手術というのは、術後の行動次第でトラブルに発展してしまう可能性があります。手術後にやっていいことと駄目なことを頭に入れて生活をすることがとても大切です。傷口の炎症を抑え、埋め込んだインプラントがしっかりと骨にくっつくように、正しいアフターケアを行っていきましょう。また、定期的に歯医者さんでクリーニングを行い、状態のチェックをすることもとても大切なことです。