歯科コラム

オールオン4を長持ちさせるためにやっておきたいセルフメンテナンス

2018年03月3日 (土)
「オールオン4」は、歯がない状態からたった1日で綺麗な歯並びを手にすることができるために注目を集めている治療法です。また、噛み心地も自然の歯に近くすべてインプラントにした場合に比べると費用も抑えられ、身体への負担も少なくて済むのです。しかし、せっかくの「オールオン4」も、歯医者さんでのメンテナンスや、セルフメンテナンスを怠ってしまえば、長持ちさせることはできません。では、「オールオン4」を、長持ちさせるためのメンテナンスには、どのような方法があるのでしょうか。

歯医者さんでのメンテナンス

歯医者さんでのメンテナンス
オールオン4の治療を受けた後も、メンテナンスを受けるために定期的に歯医者さんに通う必要があります。歯医者さんのメンテナンスでは何をするのかというと、インプラントがきちんと骨と結合しているか、噛み合わせに問題はないか、インプラント周囲炎になっていないかなどのチェックです。インプラント周囲炎は、重症化するまで患者さんが気づきにくいというようなケースが多く、放っておけば細菌が骨まで入り込み、歯が抜け落ちてしまいます。ですので、そういったトラブルを未然に防ぐためには、小さな不具合を見逃さずに治療を行っていく必要があるのです。歯医者さんでの定期的なメンテナンスは、欠かさず行っていきましょう。

メンテナンスの流れ

1.歯医者さんによるお口の中のチェック
まず、歯医者さんがお口の中を見て、歯肉やインプラントの結合状態、インプラント周囲炎が起きていないかをチェックします。そして、噛み合わせの確認も同時に行っていきます。咬合紙と呼ばれる噛み合わせをチェックするための紙をカチカチと噛み、問題があれば歯を削ったり研磨するなどして調整を行っていきます。また、ご自身でも噛み合わせなど気になる点があれば、歯医者さんに相談をして調整してもらう必要があります。

2.レントゲン写真による精査
レントゲン写真を撮ることで、肉眼ではわからない歯槽骨の状態や、骨吸収が起こっていないかなどを精査することができます。この時に、インプラントの結合具合もチェックしていく流れとなります。

3.ブラッシングの指導
歯医者さんの検査の後は、歯科衛生士さんによるブラッシングの指導が行われます。歯の状態から見て、汚れが溜まっている場所は正しく歯磨きができていないことを表しているために、効果的なブラッシングの方法や、どんなケアグッズを使用すればいいのかなどを教えてくれます。インプラントというのは、自然の歯よりも溝が深いために、どうしても汚れが溜まりやすくなっています。きちんと歯を磨けていなければ、汚れから細菌が感染し、インプラント周囲炎になってしまう可能性がありますので、自然の歯以上に丁寧に歯磨きを行っていく必要があるのです。お口の中を清潔に保つために、歯ブラシやケアグッズの正しい使い方をマスターしていきましょう。

4.クリーニング
歯医者さんでのメンテナンスでは専用の器具を使用し、歯のクリーニングが行われます。これは、毎日のケアでは落としきれない歯石を落とすことが目的です。むし歯や歯周病になる原因は、食べカスからプラークが形成され、やがて歯石となり、その歯石が細菌を繁殖させるためです。しかし、天然の歯がないからと安心していると、インプラント周囲炎を引き起こしてしまいます。クリーニングを受け、落としきれていない汚れを綺麗にすれば、舌で触ってもつるつるになってことが感じられるはずです。
オールオン4はフィクスチャー、アパットメント、人工歯の3つがネジで連結されていますが、人工歯を取り外して調整、チェック、ブラッシング指導を行っていきます。また、お口の中の細菌数を測定して、細菌が多い場合には除菌を行っていく場合もあります。

オールオン4のメンテナンスの頻度

オールオン4のメンテナンスの頻度
始めてメンテナンスを受けるのは、一般的には人工歯を装着してから約1カ月後です。その時のメンテナンスでは、歯槽骨の様子や、噛み合わせに問題はないか、歯肉に異常は見られないかなどをチェックしていきます。また、オールオン4がきちんと機能しているか、快適に使うことができているかなどの確認がありますので、支障があればそのことを歯医者さんに伝える必要があります。そして、お口の中が清潔に保たれているのかなどをチェックしていきます。最初のメンテナンスを受けてから1年間は、3~4カ月に1度、2年目からは半年に1度のメンテナンスを受けることが必要です。

セルフメンテナンスについて

歯医者さんでのメンテナンスも、もちろん大切ですがセルフメンテナンスを怠ってしまえばオールオン4の寿命は短くなってしまいます。使用する道具としては、通常の歯ブラシの他に、歯間ブラシ、フロス、ワンタフトブラシなどがあります。また、ジェット水流洗浄装置を使うことにより、しっかりと汚れを落とすことが可能です。また、最後に殺菌効果のある洗口剤を使うとより効果的です。