活動報告

日本口腔インプラント学会優秀論文賞を受賞

2007年、当院理事長 鈴木仙一が、日本口腔インプラント学会優秀論文賞を受賞しました。
学会発行「Implant News(第7号)」に受賞についてのコメントが掲載されております。

この度は、学会優秀論文賞という大変名誉な賞をいただき、とても光栄に存じます。 本研究を立案・計画した背景として、近年のインプラント治療技術の進歩が挙げられます。つまり、種々の疾患を有する患者さんにインプラントを埋入する機会も増えましたが、顎骨の骨質、骨量および形態は多様であり、骨代謝疾患を有する患者さんも少なくありません。インプラント治療は、その適応症ゆえに比較的高齢者に施術されることが多く、今後ますます進行していく高齢化社会においては骨質や骨量の不足した、あるいは骨代謝疾患を有する患者さんにインプラントを埋入する機会もさらに増加することが考えられます。そこで、骨代謝疾患モデル動物の一つであるくる病ラットを作製し、近年開発されたマイクロCT にて骨の内部構造および三次元的形態を評価すると共に、表面性状の違うインプラント周囲の骨治癒に関して検討を加えることを遂行した次第です。本研究結果として、対照と比較してクル病ラットは薄い緻密骨と不規則で細い少量の骨梁よりなる海綿骨を有していました。また、対照群およびクル病群共に、インプラント埋入後一週間における骨接触率は、陽極酸化処理よりもサンドブラスト処理の方が高い数値を示し、後者が早期に骨結合する可能性が示唆されました。 最後に、本研究が今後のインプラントに関する基礎的研究および臨床の一助になれば幸いと考えると共に、共同研究者の日本大学松戸歯学部口腔病理学講座の山本浩嗣教授をはじめ、岡田裕之講師、浅賀知記先生、中村武夫教授に感謝致します。