歯科コラム

どんな人におすすめ?正しいオールオン4の治療の流れ

2018年01月24日 (水)
「オールオン4」は、最小限のインプラント埋入で多くの歯を人工歯で補うことができる治療法です。多くの人にとって、メリットや魅力的な特徴がありますが、どのような治療内容になるのかわかっていないと不安になってしまいます。そこで、オールオン4がどのような人におすすめなのか、さらには歯医者でオールオン4を利用する時の治療の流れについて解説します。

総入れ歯に不満がある人はオールオン4を検討

総入れ歯に不満がある人はオールオン4を検討
オールオン4は、よく「総入れ歯」と比較されることが多いです。総入れ歯もすべての歯を人工歯に置き換える方法ですが、オールオン4はさまざまな点において総入れ歯を上回る特徴があります。
まずは「咀嚼能力が高い」ということです。総入れ歯では食事の時にしっかり噛むことができず、食事の満足度を下げてしまいます。オールオン4は顎骨に土台を埋め込んでいるだけあって、天然歯と同水準の咀嚼能力の高さを発揮してくれます。硬いものだって食べることができます。
次に「外れにくい」ことです。総入れ歯を利用している人の悩みのタネとして「他人の前で入れ歯が外れてしまうのが怖い」ということが挙げられます。オールオン4ではしっかりと固定されているため、そう簡単に外れることはありません。外出先や大勢の人の前に立つときでも安心できます。
これらは総入れ歯を使用する上で何かと不満に思われるポイントです。現時点で総入れ歯を使用している人で、入れ歯の利用に何かしら不満を抱えている場合、オールオン4の利用を検討してみてください。

「インプラントは魅力的だが費用は抑えたい」と考えている人もおすすめ

インプラントは手術を必要としますが、得られる効果は非常に大きいです。天然歯と同じような使い心地に魅力を感じる人は少なくありません。しかし、費用もそれなりにかかります。それこそ多数の歯をインプラントにする場合だとかなりの出費を覚悟しなければなりません。
しかし、オールオン4では費用面の心配も少なくて済みます。本数が増えることによる費用増加は、インプラントが基本的に人工歯1本につき1本の土台埋入が必要だからです。12本をインプラントにするのであれば、12本の土台を埋め込む手術を行います。それだけ治療費もかかりますし、手術に必要な時間も多くなります。オールオン4は上下片方のすべての歯を4~6本のインプラントで支えられるように設計されています。最低4本のインプラントで上下片方の歯を、8本あれば上下全ての歯をインプラントにできます。少ない本数=費用を抑えて多くの歯をインプラントにしたい人におすすめです。

治療後の定期的なメンテナンスを遵守できる人

治療後の定期的なメンテナンスを遵守できる人
オールオン4は、治療が完了すればそれで歯医者とはオサラバ、とは行きません。オールオン4を長く利用し続けたいと思うのであれば、治療後のメンテナンスのために定期的に歯医者に通院できることが条件となります。
インプラントの最大の天敵は「歯周病」です。オールオン4は人工物なので牛場には強いですが、埋め込んだ顎骨を溶かされてしまう歯周病は天的なのです。また、かみ合わせの問題等で一部分に過度の負荷がかかって破損してしまう可能性もあります。
そうしたリスクからオールオン4を守るためには、定期的に歯科医師にチェックしてもらうことが重要なのです。歯周病の兆候があれば初期段階で治療し、再発防止に努めます。また、オールオン4に破損等があれば速やかに修理・改善して自体の悪化に寄与します。

オールオン4治療の流れ

最後に、オールオン4を利用するまでの治療の流れについて説明します。
まずは「カウンセリング」を受けてください。歯や歯並びなど、どのような悩みを持っていてそれをどうしたいのかを担当医に説明します。治療期間や費用など、不安や疑問についてはここで払拭しておきます。
カウンセリングが終わったら、検査と診断の段階になります。インプラントに適した状態であるかどうか、口の中や歯の状態、顎骨の状態などを検査します。治療可能な場合は、検査で得たデータを治療計画に反映させます。治療方針や費用などについて患者さんが同意したら、本格的な治療を開始します。
インプラントを埋め込む際に「抜歯」を必要とする場合は、抜歯と同日にインプラント埋入手術を実施します。埋入手術が完了したら、状態が良ければその日のうちに「仮歯」を装着できます。注意すべき点はありますが、ほぼ普段通りの生活に戻ることができます。
インプラントが顎骨に定着したことを確認したら、最終補綴物の制作のための型取りを行います。それを基にして補綴物を作成し、完成した最終補綴物を装着すれば治療が完了します。
治療後は、先ほども説明した「定期メンテナンス」を行います。一般的なインプラントの寿命は10年だと言われていますが、綿密なメンテナンスを遵守すれば20年、30年でもオールオン4を維持し続けることも可能です。